楽天銀行というネット銀行があります。振込手数料やATM手数料を無料にすることもでき、上手く使うと家計を大きく助けることが可能です。
キャッシュカードも用意されており、コンビニで入出金が可能です。住宅ローンもあります。
取引で楽天ポイントがザクザクと貯まってお得です。楽天銀行のメリット、デメリット、使い方について、2020年の最新の状況を解説します。
Contents
楽天銀行とは
楽天銀行はその名の通り楽天傘下の銀行です。昔はイーバンク銀行という名前であり、発足当時のパートナー企業として新生銀行の他にエイベックスなどもありました。
あのライブドア(当時はエッジ)、GMOインターネット、西日本シティ銀行など多用な企業と提携してきました。
2009年2月にイーバンク銀行は楽天の子会社となり、2010年5月に名前が「楽天銀行」となりました。
楽天銀行は口座開設・維持手数料は無料であり、口座保有に一切費用はかかりません。
楽天の銀行だけあって取引で楽天ポイントが貯まったり、グループの証券会社である楽天証券との連携サービスがあります。
ATM・振込手数料を無料にすることもでき、日常的に利用することも可能なスペックのネット銀行です。
口座数、預金残高はいずれも着実に増加しており、高い人気となっています(楽天銀行 決算参考資料より)。
•20代:9%
•30代:26%
•40代:33%
•50代:20%
•60歳以上:11%
使えるATMが豊富!手数料無料も可能
ネット銀行ということで、使えるATMはどの程度あるのか、ATM手数料は無料なのかが気になりますね。
多種多様な企業と提携しており、数多くのATMが利用可能です。コンビニ、郵便局、メガバンク、駅など全国で約10万台のATMで利用可能です。
ATM提携企業 | ATMの主な設置先 |
---|---|
セブン銀行 | セブンイレブン、イトーヨーカドー |
イーネット | ファミリーマート、スリーエフ、ポプラ |
ローソン | ローソン、ナチュラルローソン |
三菱UFJ銀行 | 三菱UFJ銀行 |
みずほ銀行 | みずほ銀行 |
イオン銀行 | イオン、マックスバリュ、ミニストップ |
ステーションATMPatsat | 阪急電鉄、阪神電車、北大阪急行電鉄、神戸市営地下鉄、南海電鉄の各駅 |
ゆうちょ銀行 | ゆうちょ銀行、ファミリーマート |
ATM手数料は入金は3万円以上だと無料になります。3万円未満の入金と出金は基本的には有料です。
しかし、楽天銀行はATM手数料を無料にできる仕組みがあります。まず個人口座開設後6ヶ月目までは、無条件で最低5回/月は無料となります。
それ以降も「ハッピープログラム」という優遇プログラムを使うと、最大7回/月まで無料となります。
ハッピープログラムには5種類の会員ステージがあり、ステージごとに特典が変わってきます。
会員ステージは毎月25日終了時点の「お預かり資産残高」、または指定の商品・サービスの「前月1ヶ月分のお取引件数」で決まります。
預かり資産残高、取引件数の2つのうち、高い方のステージの優遇を翌月の1日から受けることができます。
ステージ | 条件 | ATM利用手数料 |
---|---|---|
ベーシック | エントリーのみ | なし |
アドバンスト | 残高10万円以上または 指定の取引5件以上 |
1回無料 |
プレミアム | 残高50万円以上または 指定の取引10件以上 |
2回無料 |
VIP | 残高100万円以上または 指定の取引20件以上 |
5回無料 |
スーパーVIP | 残高300万円以上または 指定の取引30件以上 |
7回無料 |
指定の取引の件数をいちいち数えるのは煩わしいので、残高で条件をクリアするのがわかりやすくて簡便です。
残高10万円以上で月1回、50万円以上で月2回、100万円以上で月5回、300万円以上で月7回まで、ATM手数料が無料になります。
個人口座開設後6ヶ月目までは無条件で5回ですが、前月25日時点の残高が300万円以上だと7回無料となります。
楽天銀行は一定の条件を充足したら、ATM手数料を無料にできるのでメイン口座としても使いやすいです。
無料回数を超えてATMを利用した場合の手数料(税抜)は下表のとおりです。
ATM提携企業 | 入金 | 出金 | |
---|---|---|---|
3万円未満 | 3万円以上 | ||
セブン銀行 | 200円 | 無料 | 200円 |
イーネット(ファミリーマート等) | 250円 | 250円 | |
ローソン | 250円 | 250円 | |
三菱UFJ銀行 | 250円 | 250円 | |
みずほ銀行 | 250円 | 250円 | |
イオン銀行 | 200円 | 200円 | |
ステーションATMPatsat | 200円 | 200円 | |
ゆうちょ銀行 | 250円 | 250円 |
振込手数料がお得
楽天銀行は、本支店宛の振込手数料は無料です。他の楽天銀行の口座に振り込む場合は手数料が無料となります。
ヤフオクなどのネットオークションでの振込みでは、楽天銀行が受取口座という方も多いです。その場合には、楽天銀行から振り込むと無料でお得です。
金額の上限もありません。以下は約461万円という大金を振り込んだ例ですが、振込手数料は0円となっています。お得でバリューがあります。
楽天銀行から他の銀行への振込手数料は、1回あたり3万円未満は165円(税込)、3万円以上は258円(税込)です。手数料に楽天ポイントを使うこともできます。
ゆうちょ銀行の本人名義口座への振込のみ、金額にかかわらず103円と優遇されています。
逆に事前にゆうちょ銀行の情報を登録すると、本人名義のゆうちょ銀行から楽天銀行口座へ手数料無料での入金できるサービスもあります。
優遇プログラムのハッピープログラムのステージに応じて、振込手数料は月3回まで無料にできます。
ステージ | 条件 | 他行宛振込手数料 | ATM利用手数料 |
---|---|---|---|
ベーシック | エントリーのみ | なし | なし |
アドバンスト | 残高10万円以上または 指定の取引5件以上 |
1回無料 | 1回無料 |
プレミアム | 残高50万円以上または 指定の取引10件以上 |
2回無料 | 2回無料 |
VIP | 残高100万円以上または 指定の取引20件以上 |
3回無料 | 5回無料 |
スーパーVIP | 残高300万円以上または 指定の取引30件以上 |
3回無料 | 7回無料 |
また、ローン関連商品のお借入れがあり、返済口座を楽天銀行に設定していると、会員ステージが1ステージアップします。
残高10万円以上で月1回、50万円以上で月2回、100万円以上で月3回まで、振込手数料が無料になります。
また、給与・賞与・公的年金を楽天銀行の口座で受け取ると、他行宛振込手数料が月3回無料となります。
しかも、使わなかった無料回数は2回まで繰り越して、最大5回分まで維持することもできます。この無料回数に利用期限はありません。いつでも必要な時に利用できます。
ハッピープログラムの会員ステージに応じた特典回数と「給与/賞与/年金受取で月3回無料」は重複適用されません。多い方の回数のみとなります。
最大で月3回です。例えばプレミアムで給与受け取りがある場合、5回にはならずに3回となります。同じくVIPでも月6回ではなく3回です。
月3回で足りない場合は、他の振込手数料無料の銀行もサブで使いましょう。
楽天銀行は「毎月おまかせ振込予約」という機能もあります。家賃・駐車場代・保険料・習い事の月謝・実家や子供への仕送り・ローン返済など、毎月定額の振込を無料で自動化できます。
所定の振込手数料はかかります。毎月おまかせ振込予約も月3~5回無料の対象です。
振込完了後の組戻は800円(税抜)です。ただし、振込の際の誤入力で振込先口座が存在しない場合、振込は完了しないため組戻手数料は発生しません。
楽天銀行のハッピープログラムの会員ステージ、ATM利用手数料・振込手数料無料回数は、メールで知らせてもらう設定も可能です。
取引で楽天ポイントが貯まる
ハッピープログラムに登録すると、銀行の各種取引のたびに楽天ポイントが貯まります。
1回あたりのポイント数は多くはありませんが、塵も積もれば山となります。日常的な取引でザクザクとポイントが貯まるのは嬉しいですね。
会員ステージが上がる程に、得られるポイントがアップします(ポイントを得られる取引一覧)。
ネット証券への即時入金、他行口座からの振込、口座振替(自動引落)などこちらに手数料がかからない場合でも貯まることがあります。
クレジットカードの等の口座引落しでも貯まるのは嬉しいですね。私も毎月ザクザクと楽天ポイントを獲得しています!
自動引落、振り込み、Pay-easy等を使うことで、楽天ポイントをお得に獲得可能。塵も積もれば山となります!
個人型確定拠出年金(iDeCo)の引落しがあった場合、1~3ポイントの楽天ポイントを獲得できます。
楽天ポイントは、膨大な商品が揃っている楽天市場で1ポイント1円で利用できるので使い勝手が良いポイントです。
楽天ポイントカードを使うと、楽天に加えて、マクドナルド、ミスタードーナツ、大丸・松坂屋、ツルハドラッグ、ダイコクドラッグ、出光などのリアルの店舗でも1ポイント1円相当で利用できます。現金同様の利便性があります。
また、株式の配当を楽天銀行で受け取ると、1回あたり10円がプレゼントされます。無条件でもらえるわけではなく、毎月キャンペーンに応募する必要があります。
大量の端株を買って楽天銀行で配当を受け取るという小技もあります。ただし、郵便物が山のように届いて処理が大変というデメリットがあります。
また、投資の税金が非課税になるNISAは、配当の受取方式を銀行受取にしていると、配当分は非課税にならなくなる点に留意が必要です。
ポイントではなく航空マイルの方がいいという方もいらっしゃるでしょう。ANAマイルとJALマイルが貯まる銀行口座については、以下で徹底的に解説しています。
定期預金のキャンペーンがメガバンクより高金利
楽天銀行は定期的に定期預金キャンペーンを開催しています。ネット銀行だけあって楽天銀行の定期預金キャンペーンは、メガバンクやゆうちょ銀行と比較するとお得です。
これから楽天銀行に口座開設する方は、定期預金キャンペーンを活用するとお得です。定期預金は1000万円までなら預金保険保護の対象でノーリスクなのがメリットです。
例えば、2015年の冬のボーナス金利キャンペーンでは、1年もの円定期預金が年0.25%となりました。税引後の金利は年0.19%です。
このキャンペーンで得られる利息は下表のとおりでした。復興特別所得税を加味しています。
定期預金額 | 税引前利息 | 税引後利息 |
---|---|---|
1,000,000 | 2,500 | 1,993 |
2,000,000 | 5,000 | 3,985 |
3,000,000 | 7,500 | 5,977 |
4,000,000 | 10,000 | 7,969 |
5,000,000 | 12,500 | 9,961 |
6,000,000 | 15,000 | 11,953 |
7,000,000 | 17,500 | 13,945 |
8,000,000 | 20,000 | 15,937 |
9,000,000 | 22,500 | 17,930 |
10,000,000 | 25,000 | 19,922 |
100万円の定期預金でも約2,000円をゲットできます。500万円だと1万円近くになります。
吉野家の牛丼ですと、100万の場合は5杯、500万円だと26杯も食べられます。マクドナルドのチーズバーガーですと、100万の場合は15個、500万円だと76個も食せます。
空前の低金利ではありますけれども、不労所得が得られるのは嬉しいですね!
クレジットカードの機能とキャッシュカードの機能が一体化した楽天銀行カードも有ります。
楽天証券との連携で普通預金の金利が日本最高峰に
楽天銀行と楽天証券は、口座を連携させることでお得になる仕組みがあります。「マネーブリッジ」というサービスです。
楽天銀行の普通預金金利は0.02%です。これは普通の銀行と同じですが、楽天証券とマネーブリッジで連携させると、普通預金の金利を5倍の0.10%まで引き上げることができます。
マネーブリッジに申し込むだけで、楽天銀行の普通預金金利が優遇金利になります。
マネーブリッジは無料ですので、ノーリスクで普通預金の金利を増やすことができるのでお得です。これは申し込まない手はありませんね^^
楽天銀行の普通預金金利は年0.02%です。これが5倍の年0.10%となります。
メガバンクの普通預金の金利は0.001%が基本となっています。楽天銀行のマネーブリッジと比較すると大きな違いが生じます。例えば100万円を預け入れた場合の金利の比較は下表のとおりです。
年数 | 0.10% | 0.001% | 差額 |
---|---|---|---|
1年 | 1,000 | 10 | 990 |
2年 | 2,000 | 20 | 1,980 |
3年 | 3,000 | 30 | 2,970 |
4年 | 4,000 | 40 | 3,960 |
5年 | 5,000 | 50 | 4,950 |
6年 | 6,000 | 60 | 5,940 |
7年 | 7,000 | 70 | 6,930 |
8年 | 8,000 | 80 | 7,920 |
9年 | 9,000 | 90 | 8,910 |
10年 | 10,000 | 100 | 9,900 |
10年スパンでは9,900円となります。吉野家の牛丼26杯分となります。美味しい牛丼を26回もたくさん食べられるのは嬉しいですね!
0.10%という普通預金の金利は、日本で第1位の高金利です。
ユニークなところでは楽天証券では、楽天ポイントを使って投資信託を買うことが可能です。
楽天銀行の取引で貯めたポイントを使って、楽天証券で投信を購入することもできます。
海外送金の手数料もリーズナブル
楽天銀行では海外送金も可能です。海外送金手数料がリーズナブルです。送金手数料は送金金額に関わらず750円です。
SBIレミットやPayPalなどは小口送金では安価ですが、送金額がまとまった金額になると手数料が高くなります。楽天銀行は一律750円という点が大きなメリットです。
また、円貨送金手数料(リフティングチャージ)の上乗せは3,000円だけであり、750円と合わせて3,750円です。一般的な銀行と比べるとリーズナブルです。
海外中継銀行手数料を送金人負担とした場合の手数料は1,000円であり、これも一般的な海外送金で発生する中継銀行手数料よりも安価です。
手続きはインターネット上でほぼ24時間可能であり、初回送金時に受取人の情報を登録しておけば、2回目からは簡単な手続で送金できます。
取扱通貨は68通貨、送金受取可能国は200カ国以上と多種多様です。
留意点としては、送金限度額がある点です。1回100万円・1ヶ月200万円・年間(1月~12月)500万円までという制限があります。ただ、他のサービスでも類似の規制がある場合が多いです。
また、マイナーな通貨の為替コストが割高な点もデメリットです。マイナーな国に送金する場合は、まずは米ドルで送金して、現地での銀行で米ドルから現地通貨に両替した方がお得です。
他に安価に海外送金する手法としては、YJFX!で現引きして得た外貨をSMBC信託銀行のPRESTIA(旧シティバンク)に出金して、そこから海外送金する方法が有名でした。
YJFX!は為替スプレッドが低いのがメリットです。他に外貨送金の手段としては、マネパカードという選択肢もあります。為替手数料が安く、送金にあたってはそれ以外の手数料はないのがメリットです。