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20~30代では、過半数の女性が「マスク荒れ」を実感中(資生堂調査)
内訳をひもとくと、年代によってマスクによる肌荒れの内容に差があり、『かゆみが気になる』は20~30代が多く、20代が52.9%、30代が51.5%と、ともに過半数を超えていました。
『ニキビが出来やすい』は20代が最も多く55.9%。『肌荒れするようになった』も20代が67.6と最も多く、これは敏感に傾く人とニキビが出来やすくなる人が混在していることや、生活習慣も関係していると考えられます。
いずれにせよ、マスク着用により肌荒れを感じている女性は、全体の約4割近くにのぼり、特に20~30代では過半数の女性が何がしかの肌不調を感じていて、確かに「マスク荒れ」は増加しているといえようです。
夏のマスク内は「湿度」「汗」「皮脂」の三重苦
マスク着用によって肌荒れが生じる原因の1つは、マスク内の湿度が高くなることです。湿度が高いと聞くと、一見肌には良さそうに思えるかもしれないけれど……?
「一般的な生活シーンにおいて、快適な湿度は50~60%と言われています。
湿度が過剰な環境下にいると、肌の最外層を守る角層がいわばふやけた状態となります。
この状態の角層は外部環境の影響を受けやすくなり、マスク着脱時に水分量が急激に変化しやすくなります。。
バリア機能にも影響を及ぼし、水分が蒸散しやすくなり、これはお風呂上がりの肌と似た状態なのです。
ちなみに医療現場で用いられる密閉性の高い「N95マスク」を着用した場合、内部の湿度は約80%まで上がるという論文も。一般的な不織布のマスクはそこまで気密性が高くないとはいえ、マスク内が高湿度であるのは間違いありません。
加えて夏場は皮膚温が上昇し、汗や皮脂の分泌も増加します。過剰な汗が原因で、かゆみを引き起こすこともあります。また同じく過剰な皮脂がアクネ菌のエサとなり、ニキビを誘発する原因となります。
お手洗いに行ったタイミングなどに一度マスクをはずし、ハンカチなどを肌に優しく押し当てるようにして、余分な水分を拭き取るようにしましょう。
マスクの「つけ外し」に要注意。温度差も肌荒れの要因?
実はマスク荒れの要因は「マスクをつけたり外したりする行為」にも存在します。
飲み物を口にする時など、日常生活の中には一瞬マスクを外すシーンが必ず存在するはずです。(ここ最近外を歩いている時など、暑くて一瞬マスクを外し『ぷはっ』と息をついてしまいますね)。
1日に何度か繰り返すマスクの着脱によって、肌とマスクがこすれ、角層がダメージを受けること。さらにマスク内の高温・高湿環境から、いきなり肌が外気にさらされて、温湿度の変化を受けることも問題です。
資生堂の研究で、急激な温度・湿度の変化により、肌内部で酵素カスパーゼ14の働きが低下することが判明しています。
カスパーゼ14は、肌のバリア機能や保湿機能の育成に関与する酵素。つまり、肌が急激な温度・湿度の変化を感知すると、バリア機能や保湿機能の低下の要因となる事がわかっています。
マスク着用でただでさえ角層がふやけて弱っているところに、突然温度・湿度の急激な変化を経験することで、バリア機能低下に拍車がかかってしまうというわけです。
これらの要因が複合的に重なった結果、多くの女性がかゆみ、ニキビ、肌荒れといった「マスク荒れ」を実感しているのです。
マスク荒れには「低刺激のスキンケア」を
マスク荒れやストレスの影響か、コロナ禍後、スキンケアに対する女性たちの意識も変化しているようです。
資生堂のアンケート調査では、コロナ禍を経て『肌を守れるようなスキンケアを使いたい』という回答が71.1%にものぼりました。また『保湿を重視するようになった』という回答も55.2%と、過半数を超えているそうです。
汗や皮脂の分泌が増加する夏は、帰宅したらすぐに肌に付着した汚れを落としましょう。
そしてクレンジングにはとろみやクッション性のあるテクスチャーを選び、肌に負担を与えずに汚れを浮き上がらせる。洗顔料はたっぷり泡立て、泡をクッションにして同じくやさしく汚れを落とすのがポイントです。
バリア機能を立て直すために、夏場であっても手厚い保湿が必要です。肌がデリケートに傾いているときは、ちょっとした摩擦も刺激になることがあります。
化粧水や乳液は、手のひら全体で丁寧に塗布を。クリームも手のひらでそっと肌を押さえるようになじませると良いです。手のひらを用いると「自身の肌状態を確かめながらお手入れできる」という利点もあります
マスクサイズはジャストサイズで摩擦を防ぐ
保湿成分の含まれたクリームを使う
一つは肌に水分を与える「モイスチャライザー効果」。蒸れて失った保湿成分を補います。保湿成分として、セラミドや尿素、ヘパリン類似物質などが入ったものを選びましょう。
もう一つが、肌の上に膜を作って水分の蒸発を防ぐ「エモリエント効果」。摩擦対策としても重要です。クリーム状の保湿剤が最適ですが、もし2種類以上の保湿剤を使う場合には、エモリエント効果の高いクリームを最後に使うようにしましょう。
以下に、敏感肌用ベーシックケアの注目アイテムで新商品をラインナップします。
肌の常在菌バランスに注目し、自ら潤う力を育む化粧水 「d プログラム」
[医薬部外品](125mL、3400円)(編集部調べ)8月21日発売
ヒルドイドの成分とコーセーの技術を融合した敏感肌シリーズ 「カルテ」
保湿・抗炎症薬「ヒルドイド」の開発を手掛けるマルホの技術と、コーセーが長年培った化粧品の製剤技術を融合し、9月16日に誕生するのが「カルテ(CARTE)」の「ヒルドイドシリーズ」です。
マルホから医薬部外品に始めて提供される「ヘパリン類似物質HD」を配合し、肌の保湿機能を担うラメラ構造の再構築をサポート。「モイスチュア クリーム」は、濃密な感触が肌の上で滑らかにとろけ、深い潤いで密閉するクリーム。
バリア機能を立て直し、もっちりとした健やかな肌へと導いてくれる!
[医薬部外品](40g、2300円)9月16日発売
敏感肌特有の「老化サイン」に注目したエイジングケア 「ミノン アミノモイスト」
(100g、2300円)8月25日発売
美容液オイル配合の、敏感肌用トリートメントクレンジング 「フリープラス」
国内外で支持されているカネボウ化粧品の敏感肌シリーズ「フリープラス(FREEPLUS)」。
最新作は、美容液成分を配合した「オイルセラムクレンジング」です。
メイクとなじみの良いアミノ酸系の洗浄オイルと、保湿作用に優れた美容液オイルをベストなバランスでブレンドし、自然にメイクになじんで軽やかに浮き上がらせる。
べたつきを残すことなく、こすらずにスルッと洗い流せる処方は、フィット感の高いUVケアを使用する夏場の敏感肌の頼もしい味方。洗顔後は、キメの整ったしっとり滑らかな肌へと導いてくれる!
今後ますます存在感を増す「敏感肌ケア」
今後ますます存在感を増す「敏感肌ケア」
睡眠時間を確保する、リラックスする時間を取り入れる、など自分にできる可能な範囲でライフスタイルを見つめ直すと同時に、敏感肌ケアは「揺らぎやすい肌のために、今できること」の1つでもあります。
コロナ感染防止のため素敵なデザインのマスク、機能性に富んだマスクなど色々な商品が出ています。洋服に合わせてコーディネートするのも楽しいですが、自分に合った素材、大きさ、スキンケアなどコロナと向き合っていく上で、考えていかなければいけません。
できれば肌荒れになる前に、摩擦を無くし、保湿のスキンケアしっかりしましょう。
でも、もしマスクかぶれが悪化した場合は治療が必要です。