涙は成分によって味が違うの、知っていますか?悲しみの涙はサラサラしていて甘く、怒りの涙は粘りがあって塩辛い。しかも、涙の原料は血液というから驚き。
今まであなたが流していた涙の成分は、そのときの感情に大きく左右されています。感情の起伏で味が変わります。
Contents
ほほを伝う水滴、涙
あなたは最近いつ、涙を流しましたか? 悔しいとき、うれしいとき、悲しいとき、そして感動したとき。抑えきれない感情となって瞳からこぼれ落ちる涙は、私たちの気持ちを現すバロメーターと言えるでしょう。
その涙が実は、感情によって味が変わることをご存じですか?しょっぱい、と答える人がほとんどなはず。怒り涙は塩辛く、うれし涙は甘い、と言うように味に違いがあるんですよ。
しかも、その涙は「血液」だった、という驚愕の事実まで発覚しました。きっと誰もが「いやいやいや。だって涙は無色透明じゃないか」と思うのが当然。
あなたが無意識のうちに流している涙には3タイプあって、それぞれに役割があります。今回は、感情がピークに達したときに目からとめどなくあふれ出す、うるわしき涙の謎に迫ろうと思います。
感情によって変わる涙の味
涙腺は三叉神経、交感神経、副交感神経の3つの支配を受けており、感情の起伏により腎臓からか排出されるナトリウムの変化から涙の味は変わるのです。
悲しいとき、うれしいときの涙の味
悲しいとき、うれしいときは副交感神経が優位になっているので、カリウムやナトリウムの量が少なく甘め。しかも、水のようにサラサラしていて、量が多い傾向にあります。
怒っているとき、悔しいときの涙の味
怒っているとき、悔しいときに流す涙の味は、塩辛いのが特徴。これは交感神経が優位になって、ナトリウムや塩素などの電解質の量が多くなるからです。涙の量は少なく、粘り気があります。
実は涙は3種類あった
ところで私たちが何気なく流している涙は、細かく分けると3タイプ。とくに、喜怒哀楽を感じたときに出る情動性分泌の涙の味には大きな違いがあります。では早速、下記の内容をご覧ください。
情動性分泌の涙
人は心を大きく揺さぶられる何かに遭遇したとき、涙があふれます。これは情動の涙といって、気持ちが高ぶったときに流れる涙。脳の前部分に位置する前頭前野が反応し、血流が増えことによって、涙が出るんです。
基礎分泌の涙
長時間のスマホやパソコンの使用によって起こる目のゴロゴロ、目やに、乾燥と言ったドライアイの症状を防いだり、角膜に酵素や栄養を運んで保護する働きがあります。角膜には血管が通っていないので、涙によって栄養を得ているんですよ。また、涙の潤いによって目を閉じたり開けたりさせる潤滑油としての役割もあります。
反射性分泌の涙
よくたまねぎを切ったときに涙が出ます。これは、たまねぎに含まれる、「硫化アリル」と言う刺激のある物質から目をガードするため。また、涙を流して空気中にただよう殺菌の侵入を防いだり、目に入った異物から角膜を反射的に守ろうとする働きがあるんですよ。反射的に流れる涙は、いわば防御壁のようなもの。
私たちは目から血液を流している
今回一番突き止めたい真相、涙が血液なのかどうかについて。結論から言ってしまえば、涙の原料は血液です。当然、「え、じゃあなんで赤くないの?」と思うはずでしょう。原料が血液なのに無色透明なのは、涙には赤血球が含まれていないからです。 血液が赤いのは、赤血球を作り出すヘモグロビンというタンパク質の存在によるもの。一方で涙は、涙腺というフィルターによって赤血球や白血球、血小板がこされた状態で排出されるので、血液のように赤くなく無色透明なんです。でも、成分は血液と同じ。人間の体って、本当に不思議なことばかりでおもしろいですね……。 あなたが人知れず枕を濡らした涙も、ハンカチがびしょびしょになるまで流した涙も、赤血球が入っていないだけですべて血液なんです。
実は鼻水も涙
感動を誘うドキュメンタリー番組や映画、ドラマを観て号泣したときって、なぜか鼻水も涙と一緒に洪水のように流れませんか?しかも、無色透明で妙にサラサラしています。あまりにも水っぽいから、思わず口に入ってしまうことだってあるでしょう。 もうお気付きだと思いますが、これは涙が目と鼻をつなぐ鼻涙管を通るからです。つまり、大泣きしたときに出る鼻水も涙だということ。涙は血液、そして涙を流したときに蛇口をひねったように勢いよく流れる鼻水も、涙だったんですね。
泣きたいときは泣けばいい
テレビや映画、漫画やアニメを観たり、押さえ込んでいた感情が爆発して思い切り泣いたあとのこと、思い返してみてください。さっきまでの落ち込み様がウソかのようにスカッとして、晴れ晴れとした気持ちになることありませんか? 喜怒哀楽によって出てくる涙には、ストレスホルモンが入っています。つまり、涙とともにストレスを外に流しているんですよ。 また、「エンドルフィン」と言う快感物質も大きく関わっています。このホルモンには強い鎮静作用があり、涙を流すことによって分泌量が増えるんだそうです。結果、ホルモンの働きによって累積されたストレスが外に流れていくため、泣いたあとは気持ちが軽やかになるんだと言われています。 常に多くの見えないストレスと戦う現代社会において、強くありたいと思うがあまり涙を流すことをためらう人も少なくないはず。でも、決して恥ずかしがることありません。
涙はあなたの心を解放し、前向きな気持ちにさせてくれるすばらしい武器なんですから。
涙の味は感情の印
瞳からこぼれ落ちる涙は、怒っているときは塩辛く、悲しいときは甘いといった具合に、感情によって味に違いがあったんですね。しかも涙はただの液体ではなく、血液というから驚き。よく「血も涙もない」という言葉がありますが、涙の成分が血液だと言う事実を分かったうえで考えてみると、なんだかちょっと納得できる気がします。 悲しいとき、うれしいとき、腹が立ったとき、辛いとき、感情を無理に押し込めて目頭をおさたりせず、泣きたいときは心に従えばいいんです。涙を流したときは、ぜひその味の違いをご堪能あれ。
余談ですが、日本人は目にハンカチを当てて泣きます。これは、日本人は鼻涙管が細いため、涙があふれ出るので目にハンカチを当てます。
一方外国人は鼻にハンカチを当てて泣きます。これは、日本人に比べ鼻涙管が大きいため多量に涙が鼻に流れ込むからです。
目にハンカチをそっと当てて涙をぬぐう方が、鼻水をハンカチでかむより、涙に合っていますね。日本人らしさはこんな所にも現れていますね。